せっかく広大な屋根裏があるのに、外階段を上っていかないと屋根裏へ行くことができなかったお家。
しかし、その鉄製の外階段が錆びてしまって怖くて上れないということで、もう長年その屋根裏を活用することができていませんでした。

これは勿体ないですねー!となりまして、中から屋根裏へ行けるように、天井をブチ抜いて階段を作っちゃいましょう!という工事の流れです。
まずはコンクリートと天井をカットします。

何気なくカットしてるようにも見えますが、ここまで至るのに、天井裏の一部を開口して、鉄骨を交わした位置を入念に調査した上で、位置と大きさを決めています。
そして、カットした部分の補強もしっかりと!

実はこの時に、雨漏りをしている箇所も発見しまして、雨漏り原因となっている箇所を調べて補修工事も施しています。
「これで雨の日も心配せんでええわ~~!」と喜んでいただいたので、ひと安心です。
隙間を隠していくのに、コンパネを貼っていきます。
屋根裏を物置として使用するので、荷物を運ぶ時に少々ぶつけても大丈夫なように、石膏ボードではなくコンパネを貼って強度を取っています。

そして、階段を製作していきます。

もちろん、大工の手による手加工です。
板の横からビスで固定するような簡素なやり方ではなく、重い荷物を持ち歩いてもびくともしないように、ちゃんと踏み板部分もしゃくってはめ込んでいく施工方法です。
今は新築現場でもリフォーム現場でも、工場でプレカット(機械で木材を加工する方法)で作られてきますが、現場に応じて作成できるというのは、リコオジが大工集団であるからこそ、できる技術だと自負している部分でもあります。
踏み板をはめ込んでいくと、こんな感じ。

蹴こみ板をはめてしまうと、部屋が暗くなるなぁ。。ということで、蹴こみ板はあえて取り付けていません。
蹴こみ板が必要な場合は、蹴こみ板のベニヤが入るように、ちゃんとしゃくりも入れて施工します。


『ノンスリップ』という滑り止めの溝も、踏み板全てに施しています。
これももちろん、手加工です。
仕上げは扉の取り付け。
開いたままだとエアコンの効きが悪くなるということで、扉も作成して取付ました。


極力薄い扉にしていますので、見た目よりも軽量で開閉で重いとかは全然ありません。
画像はないんですが、外の鉄製階段は撤去して外壁塗装まで施工させて頂きました。
・屋根裏を活用することができるようになった
・わざわざ外に出なくても、中から屋根裏へ行けるようになった
・雨漏りが止まった
と、色々とメリットの多い工事になり、尚且つ安心して生活できるようになったとのことで、有意義な工事をさせて頂きました。
又、手作りが多いというのも大工にとっても「楽しい!」の連発の現場でした!